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2018.12.27

住んだ人を魅了する無垢の家

ゼロ宣言住宅は、自然素材で作られています。なかでも、木の材料、素材は重要だと考えていますので、無垢材しか使いません。
一般的な住宅は、2ミリぐらいの板を貼り合わせた突き板や合板のフローリング、木をつなぎ合わせた集成材などの柱で作られていると思います。しかし、ゼロ宣言住宅は、窓枠や建具にいたっても杉、ヒノキ、パイン材などの無垢材を使っています。そしてその木材も地元やその近くで伐採された材料を多く使うように心がけています。

月齢伐採・葉枯らし天然乾燥の貴重な木材

こちらのおうちのフローリングは、浜松市天竜区水窪町にある天竜T.S.ドライシステム協同組合さんの木材を使っています。月齢伐採、葉枯らし天然乾燥を経た木材です。月齢伐採とは、新月伐採です。木というのは切り旬というのがあります。最適な時期に伐採をすると、デンプン質が少なく、腐りにくい、カビにくい、狂いにくいといった特性が得られ、色ツヤの良い、丈夫で良質な木材になります。月のサイクルの中で、満月から新月にかけての時に伐採されると、木の状態がいいのです。
そして、伐採後3ヶ月、枝葉をつけたまま転がしておきます。すると葉から水分が蒸発していきます。そのあと、3年以上かけて、天然乾燥させる。これを葉枯らし天然乾燥といいます。ここまで丁寧にするのは国内探してもほとんどいません。天竜T.S.ドライシステム協同組合さんはこだわって伐採してくれる本当に少ない材木屋さんです。

素材で変わる触ったときの体感温度

こちらのフローリング、ツヤツヤしているように見えますが、ワックスを塗っているからではないのです。木が持つ脂分、酵素、エキスがしっかり残っているから、肌合い、ツヤ感がいい。触ってもらうとわかると思います。しっとりしていますが、水分が多いわけではなく、生きた木の肌がそのしっとり感を出している。一般的に使われている合板フローリングや突き板のフローリングに触ると、差がよくわかります。触ったとき、普通のフローリングはひたすら冷たいですが、このフローリングは暖かいのです。体感温度が違います。

無垢のフローリングは生きている

幅は細いのと広いのと2種類あります。無垢の板は生きているので、夏場はやや膨張し、冬は収縮します。自然の姿として木が変化します。上の写真は冬場なので、板と板の間が空いているように見えますが、冬場にサイズぴったり作ると、夏、反ってしまうので、一年を通して、この状態を保つために若干の隙間をあけてあります。真冬にかけて乾燥すると収縮してくるので、少し隙間が出てくる。夏は逆に少なくなります。

階段、窓枠、建具も無垢の板を使用

木材は色々な樹種から選ぶことができます。杉やヒノキは非常に柔らかく、温かみがあります。ウォールナットはちょっと冷たく感じますが、硬いので傷がつきにくいというメリットがあります。お施主さんの好みと部屋の目的によって変わります。杉、パインを選ばれる方が多いです。その時期で最適な材料を使います。また、無垢の木を使うことで、フィトンチッドの効果も。フィトンチッドは心身を深いリラクゼーションに導く効果があると言われています。

床に直に座っていても寒くない

ゼロ宣言住宅は断熱効果がすごく高い家です。壁の中のセルロースファイバーが一度温まった部屋の熱を蓄熱します。また、無垢の木と漆喰の壁、そしてセルロースファイバーには調湿効果があります。湿度は50%前後が理想的ですが、乾燥して湿度が下がると体感温度が下がってしまいます。湿度が50%前後だと、冬は暖かく感じるし、夏は涼しく感じる。家自体が湿度を調整してくれるのです。

居心地のいい居住空間

ゼロ宣言の家の内装は漆喰と無垢の板で作られているので、非常にシンプルです。しかし、住んでみると飽きがこない、何よりも自然の素材なので居心地がいい。色んな素材を貼り合わせてつかうより毎日の生活にマッチします。板の年輪、漆喰の壁の模様、こう言った機械的でない自然の「1/fゆらぎ」の効果で人の心を穏やかにします。ゼロ宣言住宅は人が自然に居心地よく過ごせる居住空間を作っています。