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2019.10.25

家づくりにかかるコストには、家を建てる費用のイニシャルコストと、建てた後にかかるランニングコストがあります。
家のコストは、ランニングコスト次第で大きな差が生じます。

ランニングコストの期間と種類は?

一般的に家のローンは35年です。そして、住宅の建て替えサイクルは26年から。そう考えると、ランニングコストの期間は30年〜35年が目安だと考えています。 ランニングコストの種類は、メンテナンス費用と光熱費です。メンテナンスは、例えば外壁の塗り替え、屋根の補修、内装(クロス)の張り替え、シロアリ防除といった家の修繕にかかるお金です。また、光熱費は、水道、電気、ガズ代です。そして、電化製品。冷蔵庫、テレビ、エアコンなどの電化製品は大体10年が買い替え。30年の間におおよそ3回は買い替えになります。

家のメンテナンスとは・・・

外壁塗装・・・サイディングの外壁は隙間にシーリングをしています。シーリングは大体3年〜5年でひび割れして水が入ってしまいます。また、サイディングの塗料は経年劣化で剥げてくるので、見た目も悪く、雨水浸透などで劣化します。そこで外壁塗装になります。この費用が200万〜300万前後です。10年に一度必要といわれているので、3回で600万〜900万かかる計算になります。

シロアリ防除・・・一般的には新築時、基礎から1メートルくらいの構造材に、シロアリ防除施工してあります。そのシロアリ防除の薬は農薬の10倍の毒性が。また、揮発性があるので、時間が経つにつれ、空気中に揮発し5年で効果がなくなります。5年ごとにメンテナンスが必要になる。一回20万〜25万。5年に一回、30年で150万円かかることになります。

長期優良住宅ならコストがかからないのでは?

長期優良住宅にしたら長く持つ住宅だからメンテナンスも安く済むのではと質問を受けます。そもそも長期優良住宅とは、30年の中で、計画的に修繕をすることによって本来の性能を毀損することなく長く住宅としてあり続けるという考え方です。今までメンテナンスについては、その施主の考え方でやればよかったのですが、長期優良住宅の家はその計画通りにやりなさいと決まっています。ですから長期優良住宅にするとメンテナンス費用は高くなるケースが多いです。長期優良住宅は、外壁、屋根、構造のメンテナンスが義務になっています。メンテナンスを行うのが前提なので、住宅メーカーや工務店としては確実に仕事につながる住宅なのです。公共のデータで、長期優良住宅だと、メンテナンス費等が30年間の間に600万から800万かかると言われています。長期にわたって優良な住宅というより、長期にわたって有料な住宅なのが現状です。

電気代の差が光熱費の差に

年間を通して電気代が一番かかるのは冷蔵庫。その次が照明、テレビ、エアコン。その4つで電気代の44%と言われています。エアコンに関していうと、夏は電気代の約半分、冬は約33%ともいわれています。電気代がかからないようにするには、その家の断熱性能が良いか悪いかにかかってきます。断熱性能が悪いと夏暑くて冬寒いので、エアコンをたくさん使用します。断熱性能が良いとエアコンを使いません。一部屋1台が当たり前になっていると思いますが、本当に断熱のいい家は1軒に1台で済むのです。電気代だけで1万円以上差が生じるので、30年では大きな差になります。

ランニングコストを下げるには

ズバリ、メンテナンスがかからない家にすれば良いのです。 外壁にペンキやサイディングのような劣化する材料を使わない。外壁には長持ちしてなおかつメンテナンスが必要にならない材料を使いましょう。また、家の中も、張り替えの必要のあるクロスを使わなければいい。シロアリも、揮発性のものを使わず、メンテナンスしなくてもずっとシロアリから守る施工を。また、断熱性能が良ければ、少ないエネルギー(光熱費)で快適な環境を作ることができます。

それはまさにゼロ宣言の家

当社のゼロ宣言の家は、外壁にはサイディングを使っていません。塗り壁です。それもただの塗り壁ではなく、太陽光の70%を反射させる素材が含まれているので、壁自体が熱くなりません。また、非常にいい断熱材も使っています。内装でいうとクロスも使っていません。基本的に漆喰と無垢の木を使用。漆喰は100%漆喰なので、年々成長し、100年で本物の石灰岩に限りなく近づいて半永久的に保ちます。無垢の板や漆喰は調湿効果を持っています。遮熱と断熱で余計な冷気熱気を入れず、室内では調湿するので、基礎性能として非常にいい室内環境を実現しています。夏冬合わせて冷暖房機を使う機会が少なく、光熱費がかからない家、ランニングコストのかからない家なのです。

ゼロ宣言の家は大手ハウスメーカーと同じくらいの価格帯ですが80年100年住んでいただける、トータルで余分なお金がかからない家です。反対に、ローコスト住宅だと、メンテナンス費用がかかってきて、最終的にはゼロ宣言の家よりもかかるということも。ゼロ宣言の家は、最初高いと感じるかもしれませんが、そのあとの費用を考えるとお財布に優しい家づくりになっているのです。